エネルギーコストの削減法
一口に「省エネによるコストカット」といっても、光熱水費の節約だけではなく、税制の優遇措置もあり、大きなコスト削減効果を得られる可能性を持っています。ここでは、事例を挙げながら紹介していきます。
電気料金を見直す
(1)エアコンの設定温度を変える
電気料金の基本料金は、年間を通じて一番使用料の多い月を基準に決められており、通常は、夏場のエアコンをかけるときが最大値(デマンド値)になります。
電気代のコスト削減は、この最大値を下げることで可能になります(小口契約の場合は当てはまりません)。
夏場のオフィスの平均冷房設定温度は26.2℃です。エアコンの設定温度を28℃にすることで、エアコン(2.2kW)が6台稼働しているオフィスなら、金額にすると、年間で75万円近くものコスト削減になります。
(2)省エネ商品を活用する
単純に蛍光灯を1本間引きして電気料金を削減する方法がありますが、事務所が暗くなり作業効率が落ちるという大きなデメリットがあります。
そこで、2灯式蛍光灯用器具の一方の蛍光灯管に反射板を取り付けることで、もう一本の蛍光灯管を減らせる「カットワンシステム」があります。さらに3灯式蛍光灯器具用もあります。この商品は、蛍光灯に高性能反射板を取り付け、中心の蛍光灯管をはずして使用します。どちらも反射板を使うことで蛍光灯を削減し電気料金を削減するもので、約40~50%の省電力効果があります。
エネ革税制を利用する
(注)エネ革税制=エネルギー需給構造改革推進投資促進税制
コスト削減で税金を安くする方法があります。それは「エネ革税制」です。青色申告書を提出する法人又は個人であれば申請することができ、エネ革税制対象設備を購入したときは、「特別償却」又は「税額控除」ができるという制度です。その結果、税負担を軽減させることができます(ただし税額控除の対象となるのは中小企業者等※に限ります)。
詳細はエネ革税制ホームページ(http://www.eccj.or.jp/enekaku/)をご覧ください。
※中小企業者等…大企業の子会社等を除く資本金1億円以下の法人又は資本・出資を有しない法人のうち従業員数が1,000人以下の法人。個人事業者においては従業員数が1,000人以下のもの。
(1)特別償却制度
エネ革税制対象設備を購入し、事業の用に供した場合、その設備の通常の減価償却に加えて取得価額の30%相当の特別償却限度額を償却できる制度です。その結果、設備を購入した年度は税負担を軽減できます。
ただし、平成21年4月1日より平成23年3月31日までの間に取得して、その日から1年以内に事業の用に供した場合、事業の用に供した日を含む事業年度において即時償却(取得価額の全額)ができます(平成21年度エネ革税制改正)。
■当期(平成21.4.1~平成22.3.31)に設備を取得したケース(償却方法は定率法)
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取得価額 |
2,700万円(法定耐用年数15年) |
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普通償却限度額 |
基準取得価額×定率分×6カ月分 2,700万円×0.167×6/12カ月=225万4,500円 |
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特別償却限度額 |
2,700万円 (全額即時償却が可能)※ |
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当期の償却限度額 |
2,700万円 |
※平成21年度の法改正により、取得価額の全額が即時償却できることになりました。
(2)税額控除(中小企業者等のみ対象)
当期税額の20%相当額を限度とし、取得価額の7%相当額を税額控除することができます(税額控除不足額は一年繰り越し可能)。
■上記法人の当期の法人税額が696万4,000円で翌年度の法人税額が755万円であるケース
○当期の税額控除
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①基準取得価額×税額控除率 2,700万円×7%=189万円 ②当期の法人税額×限度率 696万4,000円×20%=139万2,800円 |
この場合①か②のいずれか低い方が当期の控除額となりますので、②の139万2,800円となります。そして、本来控除できる189万円との差額49万7,200円(①-②)については翌期に繰り越しが出来ます。
○翌期の税額控除
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①翌期の法人税額 755万円×20%=151万円 ②繰越税額 49万7,200円 |
この場合、②が①以内ですので、49万7,200円を控除できます。一方、仮に翌期の法人税額が少なく、60万円しかなかった場合、翌期法人税額の20%相当額は12万円(法人税額の20%)となりますが、差額の37万7,200円は再繰越できずに放棄となります。
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